「ホームページはあるけれど、ChatGPTで質問されたときに、うちの情報は見つけてもらえるのだろうか。」
お店や会社を経営している方にとって、気になることの一つではないでしょうか。
AIに紹介してもらうための方法として、さまざまな「AI対策」が語られています。
ただ、専門用語も多く、何をすると、どんな変化があるのか分かりにくいのが現状です。
AI対策も、まずはSEOの土台から。お客様に役立つ情報を揃え、検索エンジンが見つけて内容を取得できるホームページに整えることが基本です。
今回取り上げるのは、その土台の上に、AIへ情報を届けるための工夫を加えた取り組みです。
以前から話題になっていたllms.txtの設置に加え、「v2」の提案に沿って文章中心のページと、それを見つけるためのHTMLの案内記述を整備しました。
私たちが制作・運用している5つのホームページで、導入条件の違いも含めて、その後のアクセス記録を確認しています。
分かったのは、用意したAI向けの情報に実際のアクセスがあり、導入前後を比較できた1サイトでは、ChatGPTの検索用プログラムのアクセスが増えていたことです。
さらに、そのサイトでは、ブラウザのシークレットモードでChatGPTを開き、地域と具体的な相談内容を組み合わせて尋ねたところ、回答の「一番おすすめ」として対象の事業者が紹介されるケースも確認しています。
問い合わせや予約への効果は、まだ分かりません。
それでも、情報を届ける入口へのアクセスと、AIの回答で紹介された事例があり、取り組みを続ける手応えはありました。
自社の魅力を、AIにも見つけてもらうために
たとえば、お客様がAIにこんな質問をしたとします。
「この地域で、初めてでも相談しやすいお店は?」
「贈り物に向いている商品を探している。直接買えるところはある?」
そのとき、自社が提供しているサービスや商品の特徴、利用方法が、回答の参考になる情報として見つけてもらえたら。
ホームページが、お客様との新しい接点になる可能性があります。
ここで大切なのは、自社の情報が正確に、分かりやすく掲載されていることです。
誰に向けたサービスなのか。
何が得意なのか。
どこで利用できるのか。
どう申し込めばよいのか。
こうした内容は、お客様が知りたい情報であり、AIが回答の参考にできる情報でもあります。
今回試したのは、その情報へたどり着くための案内と、文章を中心に整理したページを用意する方法です。
AI対策の土台も、これまでのSEOにある
SEOとは、検索を通じて必要な人にホームページを見つけてもらうために、内容と仕組みを整える取り組みです。
事業の特徴を具体的に書く。
料金や利用方法を分かりやすくする。
関連するページをリンクでつなぐ。
重要な情報を画像だけでなく文章でも載せる。
そして、検索エンジンがページを取得できる状態にする。
こうした基本は、AIが情報を探す場面でも大切になります。
Googleも、検索のAI機能には従来のSEOの基本が引き続き有効で、専用のAI向けファイルは必須ではないと説明しています。[2]
今回のv2対応は、このSEOの土台に、AIが情報へたどり着くための導線を加える補助施策として位置付けています。
今回試したのは、v2に沿った「文章版」と「案内の記述」
以前からAI対策として話題になっていたのが、llms.txtです。
イメージとしては、ホームページの中に「この事業の概要はこちら」「サービスの詳しい説明はこちら」とまとめた、AI向けの案内を置く取り組みです。
今回、導入の中心にしたのは、v2の提案に沿った次の整備です。
- ページの情報を文章中心にまとめたMarkdown版(.mdファイル)を用意する。
通常のホームページと同じ情報を、装飾などを省いた形式でも提供します。 - HTMLに、Markdown版とllms.txtの場所を示す記述を入れる。
ページを取得したプログラムが、別の形式の情報やサイトの案内を見つけられるようにします。
HTMLには、文章版の場所を示すrel="alternate"と、サイトの案内の場所を示すrel="describedby"という記述を加えています。
Markdown版の用意自体は以前から提案されていました。
v2では、その文章版やllms.txtを見つけるための案内方法が明確になっています。[1]
つまり今回のテーマは、v2に沿って情報の形式と導線を整えた後、実際のアクセスにどんな動きがあったかです。
ただし、文章版とHTMLの記述をそれぞれ単独で比較した検証ではなく、どの要素がアクセスに影響したかまでは特定できません。
特別な宣伝文句をAIだけに見せるのではなく、公開している事業情報へアクセスしやすい入口を増やす。
そう考えると、取り組みの目的が分かりやすいと思います。
用意した情報には、実際にアクセスがありました
設置しただけで終わらせず、ホームページのアクセス記録を調べました。
アクセス記録は、どのプログラムが、いつ、どの情報を取りに来たのかを確認できる記録です。
今回確認したのは、業種の異なる5つのサイトです。お客様のサイト名は伏せて紹介します。
そのうちの一部で、AI向けの案内や文章版へのアクセスが記録されていました。
特に、1サイトではChatGPTの検索に使われるプログラム「OAI-SearchBot」が、案内ファイルや文章版にアクセスし、サイトが正常な応答を返した記録を確認できました。
この記録は、アクセス元のIPアドレスもOpenAIが公開する範囲と一致しています。
AI向けに用意した入口まで、実際のアクセスが届いていた。
これは、今回の検証で確認できた具体的な変化です。
ただし、どの案内をたどって来たのか、取得した内容を回答に使ったのかまでは、この記録だけでは分かりません。
1サイトでは、ChatGPTの検索用アクセスが増加
導入前の記録がある1サイトでは、導入前後の各30日間を比較しました。
OpenAIの公開IPアドレス範囲と一致した、検索用プログラムのアクセス件数は次のとおりです。
| 比較期間 | アクセス件数 |
|---|---|
| 導入前の30日間 | 193件 |
| 導入後の30日間 | 314件 |
導入後は、約63%の増加でした。
これはお客様の訪問数ではなく、検索用プログラムのアクセス件数です。
アクセス可否を確認するファイルや、画像などへのアクセスも含むため、「本文が読まれた回数」でもありません。
また、増えた理由が今回の対策にあると断定はできません。
サイトの更新や、プログラムが巡回するタイミングなども影響します。
それでも、用意した情報へのアクセスに加え、導入後に検索用アクセスが増えた事例があったことは、今後を追いかける理由になります。
実際にChatGPTで尋ねると、クライアントのお店が「一番おすすめ」に
アクセスログの確認に加え、ChatGPTでお店を探したときの回答も確認しました。
今回紹介するのは、当方がホームページを制作・運用している「神戸ウォーキングラボ」さんと「roomK.」さんです。
店名は指定せず、お客様が相談先を探すときのように、地域と希望するサービスを組み合わせて質問しました。
神戸ウォーキングラボさんについては、「神戸で歩き方を改善できるようなインソールを提案してくれるお店は」と質問。
回答では「一番おすすめ」として紹介され、計測や歩行分析、歩行アドバイスなどの特徴に加え、料金の目安や、計測だけでも利用できることまで説明されていました。
roomK.さんについては、「津市内でセルフホワイトニングサロンを探している。
歯だけではなくオーラルエステもあるといいな」と質問。
こちらも「一番おすすめ」として紹介され、セルフホワイトニングとオーラルエステを提供していることや、歯科衛生士が運営していることなどが説明されていました。
名前が表示されるだけでなく、お客様の希望に対して、サービスの特徴を添えて紹介されている。
事業者にとっては、AIを通じて自社の情報が届く場面を具体的に感じられる結果です。
もちろん、この回答だけで、llms.txt v2の導入が推薦の理由だったとは断定できません。
これまでのSEOやホームページの掲載内容なども関係し得ます。
また、掲載した画面は確認時点の回答であり、いつも同じ順番で紹介されることを示すものではありません。
それでも、SEOの土台にv2対応を加えたサイトで、AI向け情報へのアクセスがあり、実際の回答でも事業の特徴を添えて紹介された。
集客への影響は引き続き検証が必要ですが、取り組みを続ける手応えのある事例だと考えています。


「一定の手応えがある」と考える理由
事業者として一番知りたいのは、「それで、お客様は増えるのか」ということだと思います。
今回の検証では、そこまでの成果はまだ評価できていません。
ただ、お客様に選んでもらうまでには、まず情報が見つかり、特徴や利用方法が伝わり、比較や検討の材料になる段階があります。
今回確認できたのは、「AI向けに用意した情報へアクセスが届いたこと」と、「地域・業種の質問に対するChatGPTの回答で対象サイトが紹介されたこと」です。
売上への効果と同じものではありませんが、アクセスの記録と回答への掲載事例は、取り組みを評価する材料になります。SEOの土台にv2対応を加えたサイトの現状として、一定の手応えがあると捉えています。
v2単独の効果が証明された、という意味ではありません。
一方で、すべてのサイトで同じ動きがあったわけではありません。
今回の記録では、案内や文章版へのAI関連プログラムのアクセスを確認できないサイトもありました。
導入すれば一律に成果が出る、という結果ではありません。
取り組む順番は、SEOの土台から
v2対応を検討する際も、まずは通常のホームページの内容と、情報を見つけてもらうための仕組みを整えることが先です。
そのため、事業者の方にまず考えていただきたいのは、「新しい仕組みを入れるか」だけでなく、ホームページに次の情報がきちんと揃っているかです。
- どんなお客様に、何を提供しているのか
- 自社ならではの特徴や、選ばれる理由は何か
- 料金、利用条件、購入・予約方法は分かりやすいか
- 営業時間や販売状況などが、最新の情報になっているか
- 必要なページへリンクでたどれ、検索エンジンが内容を取得できるか
案内を用意しても、案内先の情報が少なかったり、古かったりすれば、伝えられる内容は限られます。
SEOの土台を整え、その上で、同じ情報をMarkdown版でも提供し、HTMLから場所を案内する。
今回の取り組みは、その積み重ねの一つです。
設置して終わりにせず、成果まで確かめていく
私たちは今後も、AI関連のアクセスだけでなく、どのような質問でAIの回答に紹介されるか、ホームページへの訪問につながるか、問い合わせや予約に結び付くかを確認していきます。
今回の確認では、AI向けの情報への実際のアクセスがあり、ChatGPTの回答で対象サイトが紹介される事例もありました。
SEOの基本を大切にしながら、v2に沿った情報の提供方法も試す。そして、入口へのアクセスが事業の成果につながるかを確かめる。
その積み重ねで、ホームページを育てていきたいと考えています。
ホームページのSEO・AI対応について、お気軽にご相談ください
「自社のホームページは、AIにも情報が伝わる状態になっているのだろうか」「何から整えればいいか分からない」という方も、お気軽にご相談ください。
当方では、SEOの基本を大切にしながら、AIにも事業の特徴やサービス内容が伝わりやすいホームページづくりに取り組んでいます。
現在のホームページの状況や、お仕事の内容を伺いながら、必要な改善を一緒に考えます。
検証について
本記事は、2026年10月8日時点のアクセスログ分析原稿をもとにしています。
5サイトの記録には2026年8月4日〜10月7日のデータが含まれますが、サイトごとに取得期間や導入条件が異なります。導入前後を比較できたのは1サイトで、サイト間の件数比較は行っていません。
主比較は導入前8月4日〜9月2日、導入後9月4日〜10月3日の各30日間です。
導入当日の9月3日は除いています。193件・314件は、OAI-SearchBotの識別名と2026年10月8日時点のOpenAI公開IP範囲が一致した記録です。当時のIP範囲を再現した照合ではありません。
その他のサイトではアクセス元の識別名による分類を含み、すべての偽装アクセスを除外したものではありません。
また、正常な応答は内容の理解や回答への利用を示すものではなく、制作側による確認操作の影響も完全には分離できていません。
ChatGPTの回答への掲載は、サイト運用者の報告と2026年10月8日に提供された回答画面に基づき、ログ分析とは別の観察結果として紹介しています。
確認操作の正確な日時、ログイン状態、使用モデルは未確認です。
シークレットモードでの確認は運用者の報告によるもので、画像から独立して確認したものではありません。
導入前後の回答比較や、第三者による再現検証を行ったものではありません。
